ドクターズチョイスのクランジンプラスは膀胱炎治療に「有効」と言えるか?
今日は、ドクターズチョイスから発売されている膀胱炎のサプリメント
クランジンプラスという商品が気になったので実際に取り寄せて検証してみる事にしました。
これが実際に取り寄せた商品です
この商品のページです。
https://bandh-r.org/su-dc-crngn.html
この商品が気になったのは泌尿器科医として
調度ドクターズチョイスのクランジンプラスに配合されている特許成分のクランジンを研究していたからです。
クランジンという成分を簡単に説明すると
Dマンノースという膀胱炎治療の効果が認められ、アメリカで広く使われてきた成分
(日本ではまだ未発売の成分です)
と
クランベリーの濃縮エキス
(日本ではクランベリーが膀胱炎に効く成分として多く販売されています)
これら2つの成分を合わせた新しい膀胱炎の成分です。
アメリカではその効果が認められ特許を取得しています。
以下は私の調査結果ですが、結論から言うと
副作用も無く安全で、さすが特許を取得した成分と言えると思います。
ついでにドクターズチョイスのクランジンプラスに配合されている乳酸菌の膀胱炎に対する効果についても最後に記述させていただきます。
あくまで、私見ですがこのドクターズチョイスのクランジンプラスは副作用も無く、乳酸菌のバランスも良いので膀胱炎を頻繁に発症する女性は日頃から摂取すると良いと思います。
ただし、初めて膀胱炎の症状が出たと思う方はまず泌尿器科など専門医に行って診断してもらう様にしましょう。
それは膀胱炎ではない場合が有るからです。
もしくはクランジンプラスを摂取して膀胱炎の症状が改善しない場合は膀胱炎でない可能性が有ると言えます。
個人の判断でサプリメントを飲むのは自由ですが
効果が感じられなかった場合は躊躇なく専門医に相談する様にしてください
市場には残念ながらいい加減なサプリメントが氾濫しているのが現状です。
果実や果皮に含まれる単糖であるD-マンノースも、この細菌付着防止作用があり、原因菌である大腸菌が増殖するのを防ぎます。
ちなみに膀胱炎の主な原因は尿管内に増殖した大腸菌が原因です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23633128
女性の尿路感染症の再発予防に対するD-マンノースパウダーの働き:無作為化臨床試験
D-マンノースの尿路感染症の再発予防に対する効果を検証
急性膀胱炎で、最初の抗生物質による治療後、合併症のない再発性膀胱炎の疾患歴のある女性患者308人を無作為に3つのグループに分けた。
最初のグループ(103人)には、D-マンノースパウダーを2g、200mlの水とともに6か月間毎日摂取してもらった。
2つ目のグループ(103人)には、ニトロフラントイン(膀胱炎治療薬、抗菌剤)を50㎎、6か月間毎日摂取してもらった。
3つ目のグループ(102人)には、予防薬は特に与えなかった。
全体で98人(31.8%)に膀胱炎再発がみられた。
D-マンノース摂取グループで15人(14.6%)、ニトロフラントイン摂取グループで21人(20.4%)、予防薬を摂取していないグループで62人(60.8%)であり、予防薬を摂取していないグループは摂取グループと比較して著しく高い再発性がみられた(P<0.001)。
D-マンノース摂取グループとニトロフラントイン摂取グループは、摂取期間中、再発性膀胱炎エピソード(エピソードとは症状が発症している状態のことです)のリスクが、予防薬を摂取していないグループに比べて極めて低かった(RR0.239 &0.335、P < 0.0001)。
予防薬を摂取していたグループでは、17.9%の患者に副作用がみられたが、緩和なものであり、予防薬を中止するほどではなかった。D-マンノース摂取グループはニトロフラントイン摂取グループに比べ副作用のリスクが低かったが(RR0.276、P < 0.0001)、耐用性のあるものであり、臨床的な重要性は低いと考えられる。
本実験で、D-マンノースパウダーは、治療薬ニトロフラントインと同程度に再発性膀胱炎のリスクを著しく低下させた。更なる研究が必要であるが、膀胱炎予防にD-マンノースは有益であると示唆される。
クランベリーに含有するポリフェノールの一種あであるプロアントシアニジンには、膀胱炎などの尿路感染症の原因となる細菌(E.coli)が尿路上皮細胞に付着するのを防ぐ作用があります。
この作用を細菌付着防止作用といいます。これは、クランベリーに含有するプロアントシアニジン特有の働きです。
クランベリージュースを12カ月間摂取した場合、症候性膀胱炎、なかでも再発性膀胱炎女性の発生数を減少させる可能性があるというエビデンスが存在すると考えられた。
14件の新たな研究を追加した結果、クランベリージュースは前回示した結果よりも効果が低いことが示唆される。いくつかの小規模研究では、再発性膀胱炎女性に対するわずかな有益性が示されているが、はるかに大規模な研究の結果を含めた場合、統計学的な有意差は認められなかった。
3件の小規模研究では、クランベリー製品と抗菌薬を比較した結果、膀胱炎予防効果に有意差は認められなかった。
抗生物質で膀胱炎の治療をしたことある場合、腸内の善玉菌までも減らしてしまうため、膀胱炎が治ったと思っても、善玉菌が減っているので膀胱炎にかかりやすく、再発の可能性が高くなる。
よって、乳酸菌を取り入れることで体内に善玉菌を増やし、免疫バランスを整えておくことが大事。
Maryland Universityのサイトによると、Lactobacillus acidophilusを含むプロバイオティクスを1日5~10 billion CFUs摂取するのが好ましいとしています。
https://umm.edu/health/medical/altmed/condition/urinary-tract-infection-in-women特に、Lactobacillus rhamnosus GR-1 and L. reuteri RC-14 (previously called L.fermentum RC-14)が再発する膀胱炎の予防に効果的だという文献もあります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16827601
関連スタディ
原題:Probiotics in Preventing Recurrent Urinary Tract Infections in Women: A Literature Review
Urol Nurs. 2015;35(1):18-21.
http://www.medscape.com/viewarticle/841130_3
健康な女性100人の泌尿器に存在するのは、L. acidophilus, L. fermentum,L. delburekii更に、膀胱炎の症状のない女性の膣に存在するLactobacilli種は寒天培養地で大腸菌の繁殖を抑えることが分かりました。→臨床実験ではありません。
Abdulwahab, Abdulazim, Nada, and Radi (2013)
252人の閉経後女性の再発性膀胱炎に対して、L. rhamnosus, L.reuteri とトリメトプリム-スルファメトキサゾール(TMP-SMX,抗菌剤)の予防効果を比較した試験があります。抗菌剤の効果の方がLactobacilli よりも上回っていましたが、Lactobacilliの摂取は何らかの効果が期待できるものと示唆しています。
Beerepoot et al. (2012)
抗菌剤の膀胱炎予防投与は、大腸菌の耐性を作り出します。TMP-SMXの12か月の予防投与では、100%の大腸菌がTMP-SMXに耐性があることがわかりました。Lactobacilli には、耐性はみられず、複雑性膀胱炎の予防により効果が高いことがわかりました。
Beerepoot et al., (2012)
閉経前女性100人を対象とした膣内にL. crispatusを投与し再発性膀胱炎に対する効果を検証した実験では、L. crispatusは膀胱炎の兆候はプラセボ群よりも低く、10週間後のプロバイオティクス摂取群での膣でのL. crispatus定着率は、プラセボ群の68%に比べ、93%と高かった。
L. crispatusの膣での定着率の高さが、UTI再発を抑えたのではないかと考えられる。
Stapleton et al. (2011) → クリニカルトライアル
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21498386
原題:Probiotics for prevention of recurrent urinary tract infections in women: a review of the evidence from microbiological and clinical studies. Drugs. 2006;66(9):1253-61. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16827601
PubMedのインビトロ、動物実験、健康な女性を対象として微生物学研究、膀胱炎を持つ女性の臨床試験の文献をもとに、尿路病原菌に対するプロバイオティクスの効果を検証した。L. rhamnosus GR-1, L. reuteri RC-14(以前は L.fermentum RC-14と呼ばれていた)が最も再発性UTIに対する効果が高かった。
L. casei shirota, L. crispatus CTV-05もいくつかの研究で、良い結果が出ている。L. rhamnosus GGは、膀胱炎の予防効果は高くない。
原題:The Scientific Basis for Probiotic Strains ofLactobacillus. America Society for Microbiology
http://aem.asm.org/content/65/9/3763
L. rhamnosus GR-1, L. fermentum B-54, and L.fermentumRC-14 膣への定着が見られ、膀胱炎の再発を有意に減少した。また、これらのプロバイオティクスは胃、胆汁を通過し、腸に到達した。
原題:Selection of Lactobacillus Strains for Urogenital Probiotic Applications. Oxford University Press
http://jid.oxfordjournals.org/content/183/Supplement_1/S77.full
L. rhamnosus GG, L. acidophilus NCFM, L. casei Shirota, L. reuteri MM53, L. casei CRL-431, L. rhamnosus GR-1, and L. fermentum RC-14の7種のLactobacillusは、膣内に定着し、UTIの再発リスクを抑えることがわかりました。
原題:Effect of orally-administered Lactobacillus plantarum LPLM-O1 strain in an immunosuppressed mouse model of urinary tract infection.
Effect of orally-aBenef Microbes. 2012 Mar 1;3(1):51-9. doi: 10.3920/BM2011.0009.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22348909
マウスを使用した動物実験ですが、L.plantarumを投与したマウスに、膀胱炎予防効果が見られた。尿中白血球、バクテリア量の低下も見られた。
プロバイオティクスのリーディングカンパニーKlaireのサイト(http://www.klaire.com/)にあった資料
http://klaire.com/images/ProbioticsWomens.pdf
性感染によらない女性の尿路感染症に対するプロバイオティクスの有効性を調べた臨床試験の多くは、L.acidophilusと L. rhamnosus GR-1 and L. fermentum RC-14などの特許プロバイオティクスです。
膀胱から尿管への尿が逆流する疾患を持つ若い女性に、L.acidophilus1億CFUを毎日摂取させた場合、TMP-SMXと同様に尿管感染症のリスクを低減させた。
白血病の患者に Bifidobacterium longumを摂取させたところ、カンジダ尿路感染を70%防ぐことが明らかとなった。
無作為化試験で、膣カンジダを持つ女性55人に、抗真菌剤フルコナゾールとL.rhamnosus GR-1 and L.fermentum RC-1410億CFUを1日2回、28日間摂取させたところ、抗菌剤単体投与よりも治癒率が高かった。
以上の検証により乳酸菌は膀胱炎再発の予防 だけでなく女性の膣の健康維持にも有効であると言えます。
あくまで個人的私見ですが私はこのドクターズチョイスのクランジンプラスという膀胱炎サプリは「合格」レベルと判断しました。